生理痛とリンパマッサージ

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女性にとってデリケートな症状である生理。生理とは、およそ1か月の周期で子宮内膜が剥がれ落ちる現象のことで、11~13歳ごろに初経を迎え、女性ホルモンの分泌とともに徐々に安定期に入り、ホルモン分泌が減少しホルモンバランスが不安定化し閉経を迎えます。生理痛の症状はさまざまですが、月経困難症ほどの生理痛であれば医療機関の受診が必要となり、機能性あるいは器質性月経困難症と診断される場合もあります。

 

 

 

 

 

 

1. 生理痛のメカニズム

 

女性にとってデリケートな症状である生理。生理とは、不要になった子宮内膜がはがれ落ちる際、子宮内膜が少量の出血を伴って膣から排出される現象です。この現象の際、体外への排出をサポートするのが子宮の収縮であり、生理痛はこのとき出現します。
生理痛は、冷え性との関連があり、子宮の血流低下による血行不良により、生理痛を生じやすくなります。生理痛は、この通常のメカニズム以外にも子宮の発育とも関連があります。子宮口が狭い場合は特にそのようです。はがれ落ちた子宮内膜を、子宮の収縮により狭い子宮口から体外に排出しようとしても、狭い子宮口では排出が困難であり、子宮が頑張って排出しようとすればするほど、生理痛を伴うようです。この困難な生理痛により随伴症状を生じるうえ、生理痛によるストレスがさらに要因となり、生理にお悩みの方が多いようです。

 

 

 

 

 

 

 2.生理痛の症状

 

生理の症状は、当然、生理痛あるいは生理に伴う出血ですが、その他にも嘔気や嘔吐、腹満感、出血による貧血に伴うふらふら感や倦怠感、腹痛や腰痛や頭痛など症状は多彩です。
生理により日常生活に支障をきたしている場合は、月経困難症とも呼ばれます。月経困難症には2パターンありまして、1つ目が原因が特定できない機能性月経困難症、そして2つ目が原因となる疾患が特定される器質性月経困難症です。

 

 

 

 

 

3.月経困難症

 

1.機能性月経困難症

 

機能性月経困難症は、子宮の収縮を促すプロスタグランディンが多く分泌されること、子宮口が狭いこと、ストレス、生理の際の体調不良など、疾患ではないほかの何かが原因である月経困難症を指しますが、なかでもプロスタグランディンによる月経痛が有力です。ホルモンバランスの安定化や環境変化によるストレス減などで、徐々に症状が軽快することも少なくありません。
鎮痛薬や漢方、ピルなどにより治療が進められるケースが多いようです。

 

 

 

 

2.器質性月経困難症

 

器質性月経困難症の誘因となる疾患には、子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどありますが、子宮内膜症が代表的です。子宮内膜症の症状は強く、最大の特徴である徐々に悪化する生理痛を呈している方は、将来的に不妊症などのリスクもあります。子宮内膜症は進行性の疾患であるため、早期の医療機関の受診が必要です。

 

 

 

 

4.生理痛は我慢する必要ない

 

生理痛に鎮痛薬は通例だと思いますが、痛みは我慢する必要などありません。実際、全く違うお腹の病気などでも、鎮痛薬は積極的に処方されていませんか?基本的には。生理痛にも同様の考えです。痛み刺激がストレッサーになると、ストレスにより多彩な症状が出現します。生理痛は血行不良との関連がありますが、特に生理前には血行不良が進行しますので、子宮周囲の血流を改善する目的で、骨盤を動かす運動やストレッチは生理痛に有効と言われております。ご自身の体調にあわせ、軽いウォーキングやジョギングなどお体に無理のない運動がお勧めです。
鎮痛薬を服用するのであれば、痛みを我慢してからではなく、より早期に鎮痛薬を服用すると効率が良いです。お薬の種類としましては、痛み刺激であるプロスタグランディンをブロックするプロスタグランディン合成阻害薬の服用が有効的で、ボルタレンの服用が良いようです。また、緊急的に痛みが強いときなどは即効性のある坐剤などの使用も有効です。

 

 

 

  

 

5.生理痛とリンパマッサージ

 

女性ホルモンや痛み感覚の程度などによる違いはありますが、生理痛に悩まされる女性が多いことと思います。生理痛は血行不良があると経血にも変化を生じ、生理痛がひどくなる特徴があります。リンパマッサージでリンパ循環を整えると、結果として静脈循環が改善されるため、血行不良が少なからず改善し子宮への血液循環が行き届き、生理痛自体が低減され症状が和らぎます。生理痛が和らぐと、生理痛により随伴していた可能性のある嘔気や嘔吐、倦怠感、腹痛や腰痛や頭痛などの多彩な症状も改善に向かいますので、よりリンパマッサージによる効果を実感いただけることと思います。

 

 

 

 

 

生理痛は、女性にとってデリケートな問題ではありますが、中には機能性月経困難症や器質性月経困難症などの疾患が影響しているケースもございますので、経過をみるにしましても留意が必要です。生理痛や生理による出血がひどい場合には、医療機関の受診が必要です。また、生理痛の原因にストレスが含まれているとお感じの方は、リンパマッサージに加え、生活習慣や食習慣へのアドバイスによる日常生活の改善が必要となります。