リンパマッサージとは

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リンパマッサージとは、何らかの原因で流れが停滞したリンパ液を、リンパ系の走行にあわせリンパ節を中継しながら正しい方向へ用手的に誘導し、腎臓を介して体外に排出(ドレナージ)させるマッサージ手技を指します。
つまり、体内に過剰に貯留したリンパ液を、正常に機能しているリンパ管系へ誘導することで、自然治癒力を高め随伴する症状を緩和する美容健康法と言えます。

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リンパ管系

 

リンパ管系とは、全身の動静脈血管系と同様に全身に張り巡らされているリンパ管、リンパ管とリンパ管を中継するリンパ節、リンパ管の中を流れるリンパ液の総称です。リンパ管系の流れが停滞する原因は多岐にわたりますが、心疾患・腎疾患・悪性腫瘍や感染など、生体における主要な疾患を除外すると、多くは加齢現象や自律神経異常、ストレスや運動不足などが原因となります。原因が何であれ、リンパ関係の流れが停滞してしまうと、全身に老廃物や有害物質、過剰な水分が貯留してしまった状態となり、むくみや疲れ、肥満細胞の拡大やセルライト形成、肌あれやしわなどの身体的変化を伴うようになります。

 

 

 

 

 

オールハンド・リンパマッサージ

 

過去から現代に至るまで、すべてのリンパマッサージは用手的でありオールハンドで行われています。リンパマッサージ以外のマッサージでは、マッサージ機によるマッサージなどもありますが、リンパマッサージは、リンパ管系の性質上オールハンドでのマッサージが適しています。この点は、将来的にAIが開発されても、導入は簡単ではないと思われます。それは、リンパ管自体が非常に小さい管であり、リンパ液の流れが非常に繊細だからです。そして、人の体はサイズの違いがあるうえ、走行しているリンパ管系の深さにも違いがあります。また、痛みの感じ方にも違いがあるため、圧の調整やマッサージの進行も繊細さが必要です。ですので、用手的なオールハンドであるべきなのです。

 

 

 

 

 

オールハンドの本当の意味

 

オールハンドには本当の意味もあります。人を治すことを手あてといいますが、痛みのある部位に手をあてることは、人の自然な反射的な反応です。けがをしたのなら手でさすり、お腹が痛いと手でお腹をなでるなど、手あては医学の本来の姿です。
記録に残る最古の医療は、紀元前4世紀ギリシャの医神アスクレプオスが治療する姿の壁画に見ることが出来ます。手あては、痛みを緩和し癒しを与え、プラシーボ効果(薬理作用のないものからもたらされる効果や成果のこと)などにより、行われていた側面もあるのです。
また、看護という言葉の看の字にも手が含まれています。患者の患部に手をかざして目で看ることが語源とも言われています。

 

 

 

 

 

 リンパマッサージとリンパドレナージュ

 

リンパマッサージは、リンパ管系をマッサージする手技を指しますが、リンパドレナージュという言語もあります。
ドレナージュとはDrainageであり、“排出する”という意味を含みます。この排出は、腎臓を介して用手的にリンパ液を体外に排出させるという意味であり、リンパマッサージとリンパドレナージュは全く同じ手技を指します。
違う点と言えば、現代リンパドレナージュの父と呼ばれるエミール・ボッダー博士がリンパマッサージを発案した際に、マニュアル・リンパドレナージュと称したことです。つまりは、リンパマッサージとリンパドレナージュは同じと考えて問題ありません。

 

 

 

リンパマッサージ資格を取得する際、資格取得する動機はさまざまありますが、リンパマッサージですので、当然ながらリンパに精通することは必須課題です。知識があるからこそ多角的な視点で施術できますし、そうであるからこそ、お客様にも伝わる部分があります。学ぶことの動機付けを得ることができれば、学習は深化するはずです。