不眠症とリンパマッサージ

不眠症とリンパマッサージ.png

 

 

不眠症でお悩みの方も多いと思います。不眠症には、入眠障害、中途覚醒、早期覚醒の3つのタイプがありますが、不眠症は、この状態が1か月以上の長期にわたり継続し、随伴症状として倦怠感、意欲・集中力低下、食欲低下などの症状を伴います。一般的には、寝つきが悪かったり、途中で目が覚めたり、朝早くに目が覚めたり…などの症状が続くことで、昼間に眠くなったり、疲れが取れなかったり、昼間にぼ~っとすることなどによる体調不良として自覚されています。
不眠の原因は多くありますが、原因に応じた対症療法と睡眠導入剤や場合によっては抗不安薬などの薬物療法が行われます。日常生活に原因がある場合には、生活習慣や食習慣の見直しも必要になります。不眠症改善には日常生活の見直しも必要ですが、不眠症と思っていたら、実はほかの疾患だったということもありますので、症状が重篤な場合は医療機関を受診して下さい。

 

 

 

 

 

 

1. 不眠症の原因

 

不眠症の原因には、ストレス、身体あるいは精神疾患、薬物による影響、不規則な日常生活や環境などがあげられます。
ストレスによる不眠症ですが、ストレスを感じやすい方が中長期的にストレスに曝される場合、からだとこころが過緊張状態となることで不眠症に陥ります。身体あるいは精神疾患によるストレスの場合は、心疾患、腎疾患、呼吸器疾患、膠原病、脳卒中、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな疾患で不眠症を生じます。また、精神疾患によるストレスでは、うつによるストレスがあげられます。ストレス社会ともよばれる現代社会ではストレスが蔓延しており、うつ病による不眠症も珍しくはありません。不規則な日常生活や環境によるストレスですが、こちらは生活習慣や食習慣の見直しにより改善が見込まれます。

 

 

 

 

 

 2.不眠症の3つのタイプ

 

 不眠症には、入眠障害、中途覚醒、早期覚醒の3つのタイプがあります。

 

 

 入眠障害

 

文字通り、眠りに入るまでに障害がある不眠症です。一般的には入眠までに30分以上を要する状態を指し、ストレスや今後のスケジュール、家事などを考え込むことで入眠障害に陥り、寝つきが悪く1時間以上寝つけないことも多いようです。しかしながら、入眠してしまえば、朝までゆっくりと休むことができるのも特徴で、入眠障害は不眠症の中ではもっとも多い不眠症です。

 

 

 

中途覚醒

 

中途覚醒は、睡眠中に少なくとも2度以上の覚醒をきたす不眠症を指し、その後なかなか睡眠できないといった特徴があります。眠りに入る段階では入眠障害はないため、比較的早く睡眠に入ることができるのですが、睡眠の中途にトイレなどで覚醒してしまうと、その段階で入眠障害となることで熟眠感が得られない不眠症です。

 

 

 

早期覚醒

 

早期覚醒は、起きるはずの時間よりも少なくとも2時間以上早くに目が覚めてしまい、そのあと、なかなか寝つけないといった不眠症を指します。寝つきの段階では入眠障害もなく、中途覚醒もないまま睡眠が進むのですが、朝早くに目が覚めた段階では入眠障害により眠りにつけない不眠症で、うつ病の方に多いとされております。 

 

 

 

 

 

3.不眠症の治療

 

不眠症の治療には、生活習慣や食習慣の改善を目的とした非薬物療法と、随伴症状の緩和を目的とした対症療法、不眠の改善を目的とした薬物療法が行われます。
非薬物療法は、音や温度など睡眠に適切な環境調整、睡眠時にリラックス状態を維持するための読書や音楽やリラクゼーション、睡眠時間にあわせた食事時間や入浴時間などのスケジュール調整、日の光を浴びることでの体内時間の調整などがあげられます。
随伴症状への対症療法では、不眠症により生じた倦怠感、意欲・集中力低下、食欲不振への対症療法が行われます。当然ながら、この段階では、随伴している症状と不眠症以外の疾患との関連性を精査し鑑別する必要があります。
不眠症に対する薬物療法では、睡眠導入薬による薬物療法が中心です。不眠症の3つのタイプに応じた睡眠導入薬が処方され、効果判定を繰り返し評価を行います。ただし、不眠症と精神疾患との関連が疑われれば、抗不安薬や抗精神病薬などの処方が必要となる場合も多くあります。

 

 

 

 

 

4.不眠症とリンパマッサージ

 

ストレスなどにより過緊張状態が続くと、交感神経が刺激され続け副交感神経の働きが弱まるため、リラックス効果が得られず不眠症にも悩まされます。ストレス原因が除去できれば良いのですが簡単ではありません。リンパマッサージでは、副交感神経が交感神経よりも優位となるため、例え不眠症の方であっても、施術中にお休みいただくことが可能です。リンパマッサージで寝てしまう原因は神経支配にもあります。
リンパマッサージは、まず、副交感神経を優位にしますのでリラックス効果があり入眠障害に効果的です。また、リンパマッサージは、筋肉の過緊張状態を改善しリンパ循環を正しくマッサージすることにより、筋肉の疲労物質の排出効率が高まります。結果的に血液循環も改善されるため、疲労物質の排出効果はより高まりますので、多少なりとも中途覚醒に効果があります。さらに、正しい姿勢や日常生活上のアドバイスを踏まえ、原因を意識した日常を送ることにより、不眠症による随伴症状の緩和も期待できます。

 

 

 

 

 

不眠症は、ストレス社会と呼ばれる現代社会では比較的多い症状ではありますが、一部の不眠症には、うつ病や不安神経症などの精神疾患が原因であるケースもございますので留意が必要です。急性の不眠症においては、特にリンパマッサージが即効的であると言えます。ただし、不眠症が慢性化した状態になるにつれ、当然ながら施術効率は低下いたします。不眠症の原因が日常生活にあることが疑われれば、リンパマッサージに加え日常生活へのアドバイスにより、さらなる不眠症改善が期待できます。