オールハンドリンパマッサージ 手あてすることと肌感覚

手あてがもたらす神秘的な効果

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目次 

 

      0.手あての歴史 

      1.手で行う手あて

      2.手あてすることと痛むこと

      3.手あてすることと癒すこと

      4.手あての特徴

      5.手あてと肌感覚

      6.手あてとプラシーボ効果

      7.手あてとジェームズ・ランゲ説

      8.手あてとオキシトシン

      9.手あてと自分に触れる理由

 

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5.手あてすることと肌感覚  

 

 ゆっくりとした流れでおこなわれる手あてには、心身のリラックス効果があり、人との社会的関係が促されることで支えてくれる人との絆が想起され、悩まされる不定愁訴も軽くなるようです。
興味深い検証があります。さまざまな材質のものを使い、体のあらゆる部位にいろいろな速度で触れることで、神経伝達の興奮を検証した研究では、1秒間に5cm前後の速度が、もっとも気持ちよさを与えることが実証されました。

 

 

この結果は非常に重要な結果です。皆さまも気持ち良いものに触れた時の感覚をあらためて思い出してみて下さい。どうでしょうか?あらあらしく触れていましたか?いいえ、絶対にゆっくりと触れていたはずです。日本人のこころは繊細と言われておりますが、日本人の肌感覚もまた非常に繊細です。日本語は表現豊かな文学であり、オノマトペ*(擬音語)が世界の言語のなかでも豊富です。このことからも、こころや肌感覚の繊細さが伺えます。

(*オノマトペとは…感情や状態、物音や動物の鳴声を人の音声で模倣したもの)

 

また、日本語には昔から慣用句も豊富でして、肌に関する慣用句だけでも相当数にのぼります。肌を合わせる…一肌脱ぐ…鳥肌がたつ…などなど、この観点からも肌感覚の繊細さが伺えます。

 

 

上述した観点から考えましても、日本人は、触れる感覚が研ぎ澄まされた民族であることがご理解いただけることと思います。

例えば、シルク素材やベルベットに触れますと、肌に快適な感覚刺激が発生するため、こころは非常に豊かで恍惚とした気持ちになります。皮膚からの敏感な感覚刺激がこころに良い影響を及ぼすことは、肌触りがこころの状態を創っている結果であると考えられます。この気分や情動は、やわらかさとなめらかさにより形作られており、もっとも代表的な例としては赤ちゃんの柔肌があげられます。しかしながら、赤ちゃんの柔肌と言いましても、あららしくやみくもに触れていたのでは意味がありません。気持ちよさを感じることができる触れ方があります。それは、やはり、感覚を研ぎ澄ましながらゆっくりと触れることです。シルクもベルベットも赤ちゃんも手あても、ゆっくりと触れるからこそ気持ちが良いのです。

 

 

 

 

 

 

リンパマッサージはオールハンドで行われますが、オールハンドで行われるマッサージには、気持ちの良い快適な肌感覚を与えてくれます。痛みや癒しの効果に加え、肌感覚レベルでも重要なのです。皆さまが日々お悩みの症状の中には、特にリンパマッサージが即効的と言える症状もございます。ただし、症状が慢性化した状態になるにつれ、当然ながら施術効率は低下いたします。場合によっては、疾患が影響しているケースもございますので留意が必要です。
人の自然な反応である手あてについて考え、手あてを意識した日常生活を送ることは、生きるうえで大切なことのようにも感じます。